高校時代最後のバッターボックス。自力の無さを監督のせいにした過去から学ぶこと。
この場所では現在だけではなく、”自分の過去”についても多々掘り下げて
記事を執筆していこうと思っている。
なぜそのようにするかというと、自分のこれまでの体験を
見直すことができて、誰かに会話したりするうえでも
ストーリーという具体例を持って場面、場面で考えを
伝え、影響を与えれる可能性が増えるからだ。
高校時代の3年間、僕は野球部に所属していたが
今日執筆するのはその最後の試合の話。
高校3年目の最後の夏。地区予選、6-2と相手にリードをされて迎えた9回。
先頭の打席には自分が立っていた。
最後のバッターボックスに立つ前に監督から
「アウトコースを中心に狙って打っていけ。
インコースは捨てて良い。頑張ってこいよ。」
と伝えられていた。その試合、相手投手はアウトコースのスライダーが
冴え渡っていて投球の中心となっていたので、それを敢えて狙っていこうと
いうことだった。
だが予想に反して1球目、2球目と相手投手はインコースにスライダーを
投じてきたのだ。
投球の組み立てが予想外だったこともあり、見逃すしかなかった。
そして一球ボールが外れ2ストライク、1ボールと投手有利のカウント。
最後の一球はアウトコース。ストレートなのかスライダーなのか
見極めることはとても難しい一球だった。
ただ、自分は最後の打席で一度もスイングをしていなかったことが頭にあり、
もしこのままバットを振らずストライクのストレートなら
一生後悔する見逃し三振になってしまう。
そんなことを思い、ストレートかスライダー、どちらであってもバットを
振るという選択をした。
結果はストライクゾーンからボールゾーンへ外れる
スライダーでバットが届かず空振り三振という結果になった。
そしてその後も後続のバッターが倒れ、試合に破れ、僕たちの3年間が幕を閉じた。
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試合が終わり、部員の仲間の1人から
「お前なんで1球目、2球目を見逃した?すごくもったいなかったぞ」
そんな風に言われた(彼は仲間であり、親友でもあるので
こういったことも言える関係)
僕は思わず
「監督からインコースは捨てろの指示があったんだ!
俺は最初から振りにいきたかった!」
と強く言ったあと、思わずハッとした。
監督がその言葉が聞こえる位置にいて 、とても悲しそうな表情を
していたからだ。自分を信じて起用してくれたにも関わらず
何てことを喋ってしまったんだろうかと。
今、思えばただ実力が足りなかっただけなのに。
最後の一球を見逃せる実力とメンタリティがあれば最も良かったのだが
他にも選択肢があった。それは監督の指示にとらわれず
自分の判断を信じて思いきってインコースも打ちにいくという選択だ。
これは勇気が必要だが結果を出せれば違った展開に繋がったはず。
もちろん既に終わった過去であり、戻すことはできない。
だからどうにもできないことではあるが、この経験から
最も後悔したことは自分の実力の無さを監督のせいにして
それを口に出してしまったことだ。
もし仮にそう想っていても、一度こらえて立ち止まれる自分に
ならなければいけない。そうでなければ周りの一緒に頑張って
きた大切な人を傷つけてしまうし、何か上手くいかなかった時に
誰かのせいにする自分になってしまう。
本当の意味で大事な人たちの信頼を得たいのであれば、
実力の無さを誰かのせいにしてはいけない。
こういう時こそ一度気持ちをこらえて、その場所から成長する為の
在り方を身につけていかなければいけないと今では考えている。