『己に欠けているものを見いだせないままでは敵に勝つことはできん』映画るろうに剣心 伝説の最期編で比古清十郎が伝えた言葉
映画「るろうに剣心 伝説の最期編」を観てきた。
ふと映画を観に行きたくなり、ちょうどレイトショーの
良い時間帯にやっているということでこの映画を選択。
そして観ていたなかでとても印象に残っているフレーズがある。
まず剣心(佐藤健)が最後の奥義を修得する為に比古清十郎(福山雅治)の
元で修行をするシーンが映画の前半のほうで比重を占めている。
その中で比古清十郎が剣心にこんな言葉を伝えた。
「己に欠けているものを見いだせないままでは敵に勝つことはできん。もし勝ててもお前の心に住み着いた人斬りに打ち勝つことはできん。お前は生涯、悩み苦しみ孤独にさいなまれる、また人を斬ることになる。」
このフレーズに思わずハッとした自分がいた。
敵に勝とうとするまえに、自分に何が足りないのか?を知り
自分の中にある本当の敵を見つける必要があるということ。
これが分からないままでは結局まぐれで勝ったとしても
本質が解決できていない。
恋愛や人間関係にも通づるような気がした。
たとえば、もし自分の表面だけを繕って、彼女ができたり
友人関係を築いていったとする。
しかし、本当の自分はいつも何かが足りないと思っていて、
そのことから目を逸らしたり、偽って目の前の相手と付き合いを続けていったとしたなら
どうなるだろうか?...
やがて自分の心のなかにある欠乏感、罪悪感が本人は言わずとも
内面から外面(言葉、表情、振る舞い)にでてきて
相手に伝わってしまう時が必ずやってくる。
優しい彼女や友達なら分かってくれたり、励ましてくれるかもしれない。
けれど、それは最後は相手が埋めてくれるものではない。
あくまで自分がその欠けているものを見いだし、
向き合っていかなければいつかは自滅してしまうことになるだろう。
目を背けたくなるようなことほど、しっかり見つめ
その中で何ができるかを考えていかなければいけない。
その時に初めて相手に与えることができる人間になるのではないだろうか。
そんな事を思わされた言葉だった。ちなみにその後に比古清十郎は
修行の中で剣心が「ここで死ぬわけにはいかない!」と思いたったシーンで
「やっと気づいたようだな。人を斬り幾多の命を奪ってきたお前は悔恨と罪悪感のあまり自分の命の重さから逃れようとして来た。それを克服するために死への恐怖の合間に見えた生きようとする意志が必要だ。お前の命も一人の人間の命。それが分かってこそ奥義への道だ。己の命はお前ひとりのためにあるのではない。」
という言葉を伝えていた。
これが剣心にとっての答えだったようだ。
映画自体はアクションがとにかく素晴らしく、それだけでも見入ってしまう。
そして考えさせられるシーンもいくつかあり、観に行って良かったと思う。
もし少しでも興味のある方にはおすすめしたい一本です。