「お会いできて嬉しかったです」言葉の通じない女性から学んだ”思いやるということ”1
某日、帰国の時間が迫ってきた韓国人女性から1通のLINEが入る
「お会いできて嬉しかったです」
彼女は韓国から花火大会やお祭りに日程を合わせて旅行に来ていた。
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街を歩いていた僕は、170cm近いすらっとした綺麗な女性が歩いているのを目で追った。
そして1人の男性が彼女に声をかけた。
「ナンパだろうか?」
少し2人で話をしている。
しかし彼は話をしてから早い時間で彼女から離れた。
なぜだろうと思いながら、自分も彼女に声をかけてみた。
彼が離れた原因がすぐに分かった。
彼女には日本語が通じないのだ。
けれどジェスチャーや英語なら伝わる。
辿々しい英語を使いながら何とか会話を繋いだ。
「日本には旅行できたのか」「今は何をしているのか」
などなど。
彼女にとっては旅先での偶然の一コマだった。
僕は彼女に
「もしご飯をまだ食べていないなら一緒に食べませんか?」
と提案をした。そして彼女はOKをしてくれた。
日本ではない外国から来た女性とこうして声をかけて
出会ってその瞬間に食事にいく確率を思うと、もの凄いことだなと
思った。
彼女はずっと笑顔で優しい目をしていたのが印象的だった。
そして居酒屋さんに入り、僕たちは自分たちのことについて
話込んでいた。
仕事・休日の過ごし方・恋愛・家族などについて。
彼女は僕の目を曇りが全くない様子で見続けていて
話に頷いてくれていた。
そして遅い時間帯に居酒屋さんに入ったこともあり
終電を逃してしまった。
彼女は僕に提案をしてくれた。
「始発が来るまで一緒に待ちます」
僕たちは時間を過ごす為に、近くの大きな公園に向かった。
夏の夜の涼しい風が吹いていて、気持ちが良かった。
たわいのない話が続き、
そして流れはほとんど意識していなかったが
気づいたころには手を繋いで、抱き合った.....